2023-01-01から1年間の記事一覧

卒業アルバム

前回、中学校時代のことを書いたので、ちょっと見たくなり、卒業アルバムを出した。 パラパラめくって自分の顔を探す。あった。いけてない。いけてなかったことは記憶していたが、それにしたって、いけてない。 撮影のシチュエーションも思い出した。写真屋…

あてにならない

私が中学の時、女子生徒2人、女性の教育実習の先生2人の4人で話していた。 先生とはいっても大学生だ。話していてつい、学生のノリになったのだろう。眉のキリリとした先生がふいに言った。 「さっき、別のクラスの生徒が私の悪口を言ってるのが聞こえたの。…

いかなる時でも読める本

不安な気持ちの時は、ミステリーを読むとよいらしい。現実離れした事件に没頭できるし、必ず最後に解決するのが精神によいという。 また、悩みが深いときは、外国語の本を読むとよいらしい。外国語を読むのに苦労する分、なかの世界に集中するので、適度に現…

窓ガラス大の空

雲のまん中に、四角い穴があいていて、青空が窓のように見えている…ネットでみかけた写真に、あ、と思っていいねを押した。 その時、頭の中を何かがかすめたので、動作を止め、注意深くふりかえる。雲の大群の中の青空を私は知っていた。 記憶のわたをそっと…

本の話がしたい

高校時代、妹の「月刊カドカワ」を借りて、パラパラと見るともなしに見るうちいつのまにかひきこまれた。真ん中あたりに載ってる短編小説だ。話の冒頭に戻り読み始める。 仕事をクビになった若い女性が、山手線に毎日乗って、網棚の上の忘れ物を盗んで生計を…

「本が好き」の謎

このところ本が読めていない。漫画なら、うっかり2、3冊くらい(もっとか)読んでしまうのに…。 にもかかわらず、自分の中には厳然と「私は本が好き」という感覚がある。なんだこれは。 ツイッターで誰かのおすすめ本ツイートに出会ったら、「うおっ」と言っ…

広辞苑占い(もどき)

早く寝なくてはならないのに、どうにも布団に入る気になれない。 こういうときはあれである。本棚の前で目をつむり、右手をてきとうに伸ばし、たまたま当たった背表紙を引き抜く。 目は閉じたまま、ページをパラパラてきとうにめくってこれだというところを…

綻び

長く、かつ慎重に推敲された長文がアプリに届くと、警戒してしまう。 自分ならば、相手を怒らせたときか、自分が怒ったときにしか、そんな長い文は書かないからだ。 今回は向こうが怒ってる。 そう思って、ひとつ前の自分の文を見直すと、かっこの中に書いた…

しかたない

父が「お母さん」と母を呼ぶ。 「お母さん」「なあに」「ここは、何階だ?2階だよな」「ちがうよ。マンションだもん」「マンション?!」「そうだよ」「〇〇さんたちはどこにいるんだ」「〇〇さんは退職したでしょ。年取ったから」「そうか。なにもわからな…

今日はこんな感じ

だいぶ前、とあるクライアントさんがきたけれど、うちで何もできることがなかった。それで率直にそうお話したらわかりましたと言われた。それだけだと申し訳ないので、なにか話そうと思って無理やりこんな話をした。 「〇〇はどうにもできないが、〇〇に関わ…

成仏シリーズ(5)往復ビンタ

高1の夏休みのことだ。 休みは家でごろごろしていた。そこへ昼ごはんのため父が帰宅してきて、逆鱗に触れてしまった。 部屋を出ようとすると呼び止められた。勉強が本分だ、しっかりしろ、というようなことを言われ、私も生意気だったので大声で言い返した。…

成仏シリーズ(4)稼いでから言え

高1の初めてのテストでは、戻ってくる答案すべてが、見たこともないひどい点数だった。得意科目だったはずの英語ですら、平均未満しか取れず、すっかり青ざめてしまった。 これはまずい。それまで、答案は全て親に見せていたけれど、悪いときでも相当いい成…

成仏シリーズ(3)オマエは口を出すな

中学生のときのことだ。夜10時すぎ、私は母と、テレビで映画を観ていた。「日本沈没」という古い映画で渡瀬恒彦が出ていたと思う。 クライマックスの頃、ガチャ、と鍵を開けて父が帰ってきた。大きな音をたててドアを閉め、部屋に入るなり、母を怒鳴りつけた…

成仏シリーズ(2)オマエそれでいいのか

私と妹は物心つく前にスイミングスクールに放り込まれた。私3才、妹1才である。 一番下の級では、生徒はピンク色の水泳帽をかぶることになっていた。小学生のお兄さんお姉さんはどんどん進級し帽子の色が変わっていく。が、私と妹は何年も、ピンクのままであ…

成仏シリーズ(1)成仏シリーズとは

子供のようになった父に毎日接していると、まったく毒気を抜かれてしまう。 妹は「おとーさんは、ほんとはこういう性格だったんだよ」と言う。妹は優しい。 でも、ほんとってなんだ?ほんとの性格でなかったのなら、昔の父とはなんだったのか? 昔の父につい…

休み

休みの日は、何もなさそうな駅で降りて、今まで入ったことのない喫茶店に入ってみよう…という話を読んで、そうするつもりだったのに、いつもの喫茶店に入ってしまった。 窓際の席から、まぶしいひなたを眺めている。 習慣が磁石のように私をひきつけて、はな…

「名著の話 僕とカフカのひきこもり」

「名著の話 僕とカフカのひきこもり」伊集院光 伊集院さんが「100分で名著」で出会った本から3冊選び、専門家と対談しています。まだカフカのとこしか読んでないけど、面白いです。 伊集院さんが自身の経験から実感できた読み、解釈について、専門家の方が応…

うちにはぬいぐるみはいない

どこそこの待合室に、〇〇キャラのおっきいぬいぐるみがいてな、かわいかったわ~。ガン見したわ。でも食いついてるの私だけでみんなスルー。かわいいのになぁ…と話していると突如 「まぁ、うちにはぬいぐるみはいないけどな」 と、シロクマ(cv:妹)が乱入…

虫けら

あるSF作品を読んだ。 戦争で人がたくさん死ぬ。主人公はあちこちで大勢の人の死にさらされながら、無感情に生きる。戦争を偶然生き延びてからも、運命に翻弄される自分を空から眺めるような感覚がぬけない。 人間は虫けらと同じだということが、真実描かれ…

諦め

認知症当事者のかたの闘病記(日記を編集したエッセイ)を、昨夜途中まで読んだ。 父が認知症だから、目に入って買ったのだけど、もんのすごく面白い。病気の種類に関係なく面白い。人が自分の変化に気づきどんなふうにもがくかが克明に記されている。うっか…

シャッターおろしてスルー

母が車の任意保険料をコンビニに払いに行った。保険料はかなりの金額で、万札で払う。母はこういうとき気が小さく、支払いだけでは申し訳ないと思うタイプ。必ず一緒に何か買うのだけど、今回は袋飴を買った。 しかしその日その店の店員さんは何故か、ブスー…

コロンボ的な

引き続きコロンボを順番に観ている。第2シーズンに突入したところだ。 謎解きはわかりやすい。実際の犯罪も、こういう小さな綻びから犯人が割れるんだろうなと思わせてくれる。 コロンボと犯人の心理戦が面白い。 思い詰めてる殺人犯は視野が狭くなっている…

コロンボ「死の方程式」

自粛期間中に買ってしまった刑事コロンボのディスク。このところ、順に視聴している。 シーズン1第8話「死の方程式」面白かった。なんだけど、検索してみたところ、謎解き部分は評価が高くないらしい。 でも、私は好きですね。犯人像が説得力があると思った…

さっきみた夢

父がどこかの職場に採用される。家族全員で転居する。 広い職場。 ところが実は、父は病気で仕事ができない。がらんと広い職場で丸椅子に座り、父のかわりを務める決意を固めていると、体格がよく高そうな服を着たおじさんがやって来る。慇懃無礼な笑みを浮…

つまる

友がみなわれより偉く見ゆる日よ…というこの頃。要するに自分の調子が悪い。 夜眠れなくて、眠いままむりやり仕事するから、終わったあと頑張った気がしちゃって、甘いものをパクパク食べる。自分でもびっくりするくらいすいすいお腹に入っていく。腹がくち…