休みの日は、何もなさそうな駅で降りて、今まで入ったことのない喫茶店に入ってみよう…という話を読んで、そうするつもりだったのに、いつもの喫茶店に入ってしまった。
窓際の席から、まぶしいひなたを眺めている。
習慣が磁石のように私をひきつけて、はなさない。
ラクだから。そして、なつかしいからでもある。
日陰からひなたを眺めていたら、祖母の庭で水をまいた夏を思い出す。
何も考えずに習慣に身を任せ、自動的に動いていると、必ずいつか見た景色に出くわす。何十年と繰り返した私の日々の営みから、そのひとときに似た瞬間が、コトリ、とふり出される。
まだまだ生きるつもりなのに、なぜこんなに昔のことばかり思い出すのか。もはや余生なのか。
やってられねえな!と思って、アイスコーヒーをすいこみました。