前回、中学校時代のことを書いたので、ちょっと見たくなり、卒業アルバムを出した。
パラパラめくって自分の顔を探す。あった。いけてない。いけてなかったことは記憶していたが、それにしたって、いけてない。
撮影のシチュエーションも思い出した。写真屋さんが次々に生徒を撮影していくのだが、私の番になった時に言ったのだ。
「もうちょっと笑ってー」
で、色々こじらせていた私は「この顔でお願いします」とニコリともせずに答えた。写真屋さんも負けていない。すぐに面白いことを言われて(何を言われたか思い出せない)、私はあっさり爆笑してしまった。
「笑顔撮っておきますねー」カシャッ
というわけで、中学のアルバムには、二重顎をものともせずに大口を開けて笑っている写真が、容赦なく使われている。
話はここで終わらない。高校のアルバムである。
高校は確か、体育館とか広めの場所で列を作って順番待ちをした。私は一人で並んでいたが、たまたま前後にことごとく、はなやかな女子たちがグループで並んでいたのである。
彼女たちは手鏡やクシなど用意していて、順番待ち中に髪型と顔面をチェックし、お互いに褒め合っていた。
「〇〇ちゃん、かわいいからいーなー」
「そんなことないよー□□ちゃんのがかわいいよー」
けっ。しゃらくせえ。見た目など気にしてなるものか。と思った私はいっさい鏡を見ず髪も撫でつけずに撮影に臨んだ。
その結果写された写真…一本しばりの髪から、4束ほど乱れた髪が飛び出し、微妙に曲がったメガネは、左側のレンズだけ何かを反射してやや白っぽい。睨む目。父に見せたら「どうしたんだこの写真…」てつっこまれた。
何十年たっても、こじらせた自意識を思い出させてくれる卒業アルバム。もー、当分見ません。