母が車の任意保険料をコンビニに払いに行った。保険料はかなりの金額で、万札で払う。母はこういうとき気が小さく、支払いだけでは申し訳ないと思うタイプ。必ず一緒に何か買うのだけど、今回は袋飴を買った。
しかしその日その店の店員さんは何故か、ブスーっとした表情で目も合わせず一言も発さず、払込票をひったくると、叩きつけるように印を押し、飴の袋を放ってよこしたという。
母もこの時点で、この人どうしたんだろう?と思ったが、礼儀正しく「あのう、飴にシール貼ってくれませんか?」と頼んだという。すると、
「シール貼ってありますよっ!」
「まあ、そんなに怒らないでくださいよ…」
「怒ってませんよっ!」
しーーーん。怒ってる…。
帰宅した母は「大きい金額の振込のときは、もっと金額の大きい買い物を一緒にしたほうがいいのかね?飴一袋だから機嫌が悪かったのかねぇ?」と私に聞いてきた。
いや、違うでしょう。きっとお母さんに対して怒ってたわけではないよ。仕事か家庭で何かがあって、もともと苛ついてたんだよ。私、コンビニ振込のとき他のもの買ったことないけど、別に感じ悪くされたことないもの。そういうの、全く気にすることないよ。忘れるに限るよ。
じゃあ、あんたはそういうとき、どうしてるの?と聞く母。そんなんシカト、スルー。最小限のコミュニケーションでサッサと離れるね。昔は気になったけど、今は、すぐ忘れちゃう。
母は「そうなの?今あまり外に出ないから、たまに店員さんと話すだけでも色々考えちゃうよ。いやだねぇ。」とため息をついていた。
まあしかし、よく考えると母のコミュニケーションのほうが本来のありかたなんだろうな。相手がいらついてたら、どうしたの?そんなに怒らないでよ…て言いたくなる方が、まともな感覚だろう。
明らかに不機嫌をぶつけられてるのに心のシャッターを下ろしてスルーするのは、相手を機械扱いするのと同じだわな。買い物のたびにシャッター全開で会話するのも身がもたないけど…。
なんか母にスルーした方がいい的なことを言ったけど、母はそのままでいいような気もしました。マル。