書類たち

ほとんど毎日書類に追われている。空いた時間でやっと2種類仕上げるとその日のうちに3種類頼まれる。ときどき同じ日に5、6種類頼まれることがあって泣きそうになる。


同じ書類をたくさん書いて、書きなれてくるとその書式に関しては、あまり苦痛でなくなってくる。でもそれにしたって多すぎれば嫌になる。

もっとたくさん書いてる人もいるだろう。きっとさくさく書いているのだろう。何より早さが大事だと私も言われたことがある。

書類仕事って、時間をかけるようなものではなくてできて当たり前だと思われている(頼む人たちはそう思っているのではないか。実態を知らなければそう思うのは当然だ、紙切れ1,2枚のことなのだから)。自分でもなんだかつまんない仕事のような、頑張っても「あーもっと早く書けたのでは」としか思えないような、報われないものがある。

しかし実は、書類仕事はできて当たり前ではないのである。

えーとこの事実は、書き間違いをしたときにはじめてわかるのである。

間違えると、よくわかんないとこから電話がかかってくる。向こうも忙しそうだ。電話の声で迷惑度合いの想像がつく。令和4年を令和3年と書いてしまいすいませんでした、と謝って大急ぎで直して送る。返送のために使わせた切手を同封して。

先日は震えた。完成した書類を封じて切手を貼り、あとは投函するばかりにして、担当者の机の上においておいたのである。翌朝出勤した時、まだ机上にあった封筒に何かを感じ私はバリバリと封を開けた…やっぱり。署名し忘れてる。あぶな。何かを感じた自分に震えたのだった。

つまらなくて退屈でそのわりに時間がかかるけど、間違えるとえらく手間が増えてあちこちに迷惑をかけ、自分もペコペコしなくちゃならない。そして、何よりびっくりなのはこんなつまらない紙なのに、頼んだ人にとってはなくては困る紙だということ。ズバリ、それが書類仕事だ。

だから、つまらないけどくだらない仕事だとは思わないようにしている。

つまらないのとくだらないのはイコールではないんだよな。

ところで、キーボードで書ける書類がだんだん増えてきてくれてありがたいが、署名だけは手書きで書け、とかなんとかならんの。